遍路体験 (黄 麗瓊)

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遍 路 体 験

 

2009年度香川海外技術研修員 黄 麗瓊

20091128日(土)

いよいよ遍路体験の日になりました。ちょっと寒かったですが、いい天気でした。今度の参加者はほとんど外国人で、言葉からはじめ、違うところが多いですが、白衣を着替え、菅笠をかぶってから、もう完全にお遍路さんの雰囲気になりました。

今日の線路は屋島から八栗寺まで、約14キロです。まずは屋島寺へ。登るのは少し疲れましたが、山道で歩いているほかの人たちに「お疲れ様」と声を掛けられて、頑張る気が涌いてきました。四国ではお遍路さんに愛着を持っていると聞いたことがありますが、今日の体験ではなるほどという実感がありました。

屋島寺で寺の参り方を説明してくれてから屋島の頂上で瓦投げをしました。瓦投げは源氏が勝利を祝って屋島山頂から陣笠を投げたことに真似して、今は薄く小さな円形瓦を投げることになったそうです。皆瓦を買って投げて、夢中でした。自分の疲れや悩みなどを、瓦のように外へ投げ出して、不思議にいい気持ちになりました。

屋島を降りる道は登る時の階段道と違い、湿気が強くて、泥道でした。一回滑りましたが無事に降りました。空海または大昔の遍路さんたちの修行は百倍以上大変だろうと思わず敬意を涌いてきました。

昼ごはんは有名な山田家でおいしいうどんを食べました。食事の後、皆元気になってまた出発しました。次の目的地は八栗寺です。八栗寺について、屋島に教えてもらった参り方法に従って、まず山門で一礼をして、それから手を洗いと口をすすぎ、次は本堂と大師堂を参りました。

八栗寺の住職は私たちに誦経もしてくれました。その後、お接待の甘酒を飲みながら、八栗寺の由来を聞きました。空海が入唐祈願のため埋めた八つの焼き栗が、帰朝後大きな木に成長したので八栗寺と名付けられたそうです。住職の話では、無事に中国へ行けるか、そこで順調に勉強できるか、それにまた日本に戻れるかは空海本人も分からないそうで、入唐ということはまるで「ファンタジー」のようです。しかし、このファンタジーを実現しようという空海の行動力と勇気に感動しました。弘法大師は自分が「弘法大師」になれることを昔から分かっていたからこんな素晴らしい修行をしたわけではないと思います。普通の生活で自分の夢や目標のため、一歩一歩踏み出すことは誰でもできる修行ではないでしょうか。残念ながら、多くの現代人はいつもこれがないあれがないといういいわけで、結局夢がない人間になってしまいます。この焼き栗の話を聞いて、これからの人生態度を考え直そうと思うようになりました。

八栗寺がある五剣山を降りて、今日の遍路体験もそろそろ終わりです。体も心も洗練されて、有意義な一日でした。このような遍路文化もこれからずっと残ってほしいと思います。

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